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インタビュー

出版業界の法務に内定(29歳、男性)

本日は、大手出版社グループの法務部に内定されたAさんにインタビューをさせていただきました。

MS記者
Aさん、ご内定、おめでとうございます!つい先日、Aさんの上司となられる方に法務担当者の交流会でお会いしましたが、Aさんのお人柄を大絶賛されてましたよ。今日はよろしくお願いします。

Aさん
よろしくお願いします!

MS記者
まずは、就職活動の期間と応募数を教えていただけますか?

Aさん
2015年5月月末~2016年4月初頭なので、約1年弱です。合格発表前まで新卒向けを中心に3社、 合格発表後はMore-Selctions様の紹介を中心に8社で、計11社になります。そのうち、面接まで進んだのは、2社になります。

MS記者
ご自身の方向性で悩まれていた時期もあっただけに、期間の割に応募数は少なめな印象ですね。就職活動を進めるうちに、Aさんの中で考え方に変化が生まれて来たと聞いていますが、就職活動開始前のAさんと現在のAさんとで一番変わった部分はどこだと思いますか。

Aさん
就職活動開始前は、とにかく名前の知れている大手に入社することだけを考えていました。大卒社会人の友達や司法試験に合格した友達にも引けを取らないためです。また、大手に入れば給料も良く、安泰だろうという甘い考え方を持っていました。 しかし、そのような考え方は間違っていることに気が付きました。気づかぬまま大手に入社できても、出世もできず、給料も上がらず、漫然と仕事に向き合って何のスキルや能力を得られないまま、人生を過ごしていたと思います。 その後にリストラに遭えば、路頭に彷徨っていたと思います。就職活動があまり上手くいかず、自分が何のために法曹になりたかったのか、何が成し遂げたかったかをもう一度考えました。 そこからは大手ではなく、自分の人生で成し遂げたいことに必要なスキルや能力を得られそうな企業選びにシフトすることができました。一番変わったのは、周りにどう思われるかではなく、 自分自身が成し遂げたいことを中心に企業を選べるようになったことでした。

MS記者
それは、本当に大きな価値観の変化となりましたね。司法試験経験者の多くが、長年の受験戦争に疲れてしまっているからなのか、 「何を成し遂げるか」よりも、「安定感があり知名度のある企業でのんびりと働くこと」を優先している印象です。志を持ってエネルギッシュに法曹を目指して来たはずの方々が、 志も牙も失ってしまうのを見るのは、本当に残念な思いですので、Aさんのように、ご自身が成し遂げたいことを軸に企業を選んでいる方を見ると嬉しくなりますね。 そんなAさんだからこそ、ご内定先の企業様からも、お人柄を高く評価されたんだと思います。ところで、面接時に特に意識をして臨んでいたことはありますか。

Aさん
最低限の企業研究や市販されている面接対策本に掲載されている想定質問の回答を用意しました。その上で、これまでの人生経験で培ってきた人間性で勝負することを意識していました。簡単に言えば、自分を大きく見せたり、 自分の人間性を本来より良いように見せないことでした。ありのままの自分で勝負することに割り切ったことです。

MS記者
結局のところ、自分の言葉に説得力を持たせるためには、ありのままの自分で勝負するしかないですからね。また、企業の採用担当者もやはり優れた目を持っていますので、 中途半端に取り繕っても、まず間違いなく見抜かれていると思った方がいいです。その意味では、正しい割り切りだと思いますね。ところで、今回、内定をいただいた企業様への就職を決められた理由は何ですか。

Aさん
自分が成し遂げたいことであるサッカーのJリーグに関わる仕事に就くための能力やスキルが、少しでも得られそうな点です。また、以前からアルバイトで関わってきた小学生の大型イベントを主催している会社なので、業務がイメージしやすいという点も大きかったと思います。 また、現在住んでいる場所からも近く、大学時代から馴染みのある場所にあることも大きな理由でした。

MS記者
こうして伺いますと、今回のご内定先の企業様は、まさに、Aさんとご縁のあった会社だったって感じがしますね。最後に現在就活中の方に一言お願いします。

Aさん
一番大事なことは、まず法曹を目指した理由を思い出して下さい。それを軸にすれば、きっと道は開けると思います。法曹でしか成し遂げられないことであれば、司法試験にチャレンジし続けることも一つだと思います。 ただ、その場合には法務派遣をやる、法律事務所に潜り込むといったリスクヘッジは必ず行ってほしいです。法曹でなくても、公務員や社団法人・財団法人・NGO・NPOの団体職員になることで成し遂げたいことを実現できるならば、その道に進んで欲しいです。 必ずしも、企業への就職に括る必要はないと思います。家族、友人、恋人、バイト仲間、就職支援のアドバイザーと色々な話をしてください。良いヒントがあり、自分の道が見つかるはずです。それに、自分の色と合致する企業・組織・団体は絶対にあるはずです。 わが国だけでも企業は数多存在しています。待ちの姿勢ではなく、自分から積極的に動いてみてください。案外、チャンスは転がっていると思います。 私は、色々な不定期のアルバイトを経験してきました。接客業務にしても、対象は小学生からセレブな妙齢のマダムと幅広く、本当に色々な経験をしました。この経験が運良く、この度の内定につながりました。就職活動ということではなく、様々なことにチャレンジしてみてください。 新しくアルバイトを始める、派遣法務にチャレンジする、外国語に挑戦する、趣味を突き詰める等々何でも良いと思います。初めは、しんどい、辛い、やめたい、むなしいかもしれませんが、きっとそれは大きな財産になるはずです。今まで真面目に法律の勉強をしていたことに加えて、 他の修了生と違う「何か」があれば、きっと就職ができるはずです。はっきり言って、私は就職のためにこれといった特別な活動をしてきませんでした。食い繋ぐ為にアルバイトをしながら、日々を過ごしておりました。それこそ、体力勝負のイベントスタッフをやった翌日には疲労が大きく残っていて、 ほぼ1日家でひたすら寝ていたこともありました。TOEICのスコアも大学時代の自分には追いつくこともできませんでした。焦りから、「このままで私は大丈夫なのか。」となかなか寝付けぬ夜も経験しました。このことから、修了生の皆さんは私より劣っているはずがないのです。 自分に自信を持ってください。こんな私ですら、就職することができました。皆さんは優秀です。あとは、運を味方につけながら、やりきるのみです。 最後に、私が尊敬するサッカー選手の座右の銘をご紹介します。「NO PAIN NO GAIN」。皆さんは、あの地獄のようなロースクール生活を生き抜いてきました。きっと大丈夫です。試験に落ちたことで、新たに大きな花を咲かせる種を得ることができました。とにかく明るく前向きに、卑屈にならず新たな一歩を踏み出してください。 一人ではありません。とにかく一緒にこの世を生き抜いていきましょう。皆さんを、心の底から応援しています。

MS記者
熱の込もった素晴らしいメッセージを、ありがとうございました。また、法務担当者の交流会等でお会いしましょう!

インタビューを終えて

Aさんは、当初やりたいことの軸も見い出せないままに、なんとなくの大企業志向で就職活動をされていたそうです。弊社の就職セミナー後のアンケートに、 「目が覚めました。自分のやりたいこと、なりたい自分をまずは突き詰めたい。」と熱いメッセージを書かれていましたが、その後のAさんは、その言葉どおり、時に立ち止まりながらも、ご自身がやりたいことを 自分自身に問い続けながら、もがき続けていました。そんなAさんの頑張りが実を結び、本当に嬉しく思います。結果的にAさんが就職されるのは、相応に大きな規模の企業様になりますが、やりたいことを 実現させるために、そうした企業に入社するのと、「企業に生活もプライドも守ってもらいたい」という意識で入社するのとでは、その後の人生の豊かさ、ビジネスパーソンとしての成長が大きく異なってくると思います。 人生は一度きり、そして長くはありません。司法試験の合格を断念した後に新たな志を持つことは容易ではないかもしれませんが、Aさんもおっしゃっていたように、「なぜ、自分は司法試験を目指したのか」という問いに 改めて向き合うことで、新たな志のしっぽが見えてくると思います。司法試験終了後に目標を見失ってしまった方は、まずは、司法試験を志した頃のご自身のお気持ちを思い出すところから、始められてはいかがでしょうか。

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