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就職ノウハウ

法科大学院修了生の就職進路

Q.法科大学院修了生にはどのような就職先が望めるのでしょうか?

A.

現在、「企業法務」の市場が人材の売手市場ということもあり、ここ数年は当社で取り扱う求人の9割以上が『法務の求人』になっています。それに伴い、およそ9割の方が企業の法務職に就職されている状況です。

法科大学院修了生が就職した主な業界、職種等を記載しておきます。

 

 

■就職された主な業界

機械メーカー、化学メーカー、商社、IT、食品メーカー、不動産、金融、小売り、法律事務所をはじめとする士業事務所などです。

特に業界に大きな偏りはなく、様々な業界に満遍なく就職されております。

 

 

■就職後の職種

法務、総務(一部法務)、内部監査、システムエンジニア、人事、コンサルタント、編集、営業、総合職などです。

90%くらいの方が法務職として就職されています。

 

 

■企業規模

ほとんどの方が法務職として就職していることとも関係していますが、法務人材を専任で採用しようとする企業になりますので、それなりの規模の企業に就職する方が多い状況です。割合としては、東証一部上場企業:約30%、東証二部・JASDAQ上場企業:約20%、東証マザーズ上場:約25%、上場準備中企業:約15%、中堅老舗企業:約7%、スタートアップベンチャー企業約3%といった感じです。

 

 

■知名度

法科大学院修了生の多くは、法科大学院での就学期間や司法試験の受験期間の分、同年代のビジネスパーソンと比べて「年齢と経験のバランスをやや欠いている」と企業から評価されることが少なくありません。そして、その点が就職活動における最大のネックとなっています。

そのため、大学生が選ぶ人気企業ランキングにランクインするような人気・知名度の高い企業から内定を得られる法科大学院修了生は

稀な状況です。一方で、BtoB(対企業向けに商品・サービスを提供する)事業を行っていて、知名度はそれほどではないものの、世界的なシェアを持つ優良企業に就職する法科大学院修了生は少なくありません。また、人気・知名度の高い企業のグループ会社に入社される方は比較的多い状況です。

 

 

■残業時間

直近3年間で弊社を通じて就職した法科大学院修了生の就職先企業の月当たりの平均残業時間は「30時間弱」になります。

分布としては、平均10時間ほどという企業から平均50時間ほどという企業まで、幅広くありますが、近年の世情を受けて、各社の残業時間は総じて減少傾向にあります。

 

 

■年間休日

厚生労働省が発表した「平成30年就労条件総合調査」によりますと、日本全体の企業の平均年間休日は108日ほどだそうです。

それに対し、直近3年間で弊社を通じて就職した法科大学院修了生の就職先企業の平均年間休日は「約117日」になります。

法科大学院修了生の主な就職先が、法務職を社内に置ける程度に社内体制が整備された企業ということで、その分、年間休日が多めの企業が多いということだと思います。

 

■給与

市況(人材側の売手市場か買手市場か)に大きく左右されますが、売手市場の2018年における法科大学院修了生の平均初年度年収は残業代抜きで約350万円、分布としては、年収300万円~500万円と、業界や企業ごとに大きな幅がある状況です。

 

 

■就職後のキャリアパス

[転職をしないケース]

入社した会社で腰を据えて働き、

・部門内で出世して、早期に役職に就いている方

・海外子会社の管理を任せられている方

・法務に留まらず管理部門全般を屋台骨として支えている方

・一人法務として上場準備を担当して会社を上場させ、今では上場企業の法務部長として複数名の部下をマネジメントしている方

などがおります。

 

[転職を行ったケース]

一方で、転職を行った方の事例としては、

・一社目に入社した上場企業で法務業務を一通り幅広く経験し、その「業務の幅」が評価されて、一社目よりも規模感と知名度の高い企業への転職を果たされた方

・一社目で国際法務の経験を積んだ結果、その希少な経験が評価され、2倍近い年収を提示した企業に国際法務担当として転職した方

・上場準備中のベンチャー企業で幅広い法務経験と部下をマネジメントする経験を積み、若くしてのマネジメント経験が特に評価されて、東証一部上場企業のマネージャー職で転職した方

・上場準備中のベンチャー企業で上場準備を担当して会社を上場させ、その時の経験が評価され、以後、上場請負人としてベンチャー企業を渡り歩いている方

・業界特有の専門性が求められる特定業界内で数社を渡り歩き、当該業界のスペシャリストとしての地位を得て高年収を稼いでいる方

などがおります。

 

 

 

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『インタビュー』

『【ブログ記事】人気企業への入社は最善の選択肢か』

 

 

 

【筆者プロフィール】
齊藤 源久

法科大学院修了後、大型WEBメディアを運営するIT企業にて法務責任者、事業統括マネージャーを担当した後、行政書士事務所を開設。ビジネス法務顧問として、数十社のベンチャー企業の契約法務や新規事業周りの法務相談を担う。

2014年より、株式会社More-Selectionsの専務取締役に就任。前職での採用責任者の経験・長年の法務経験・司法試験受験経験などを生かし、法科大学院修了生の就職エージェント業務、企業の法務部に派遣する法科大学院修了生向けの法務実務研修の開発・実施などを担当している。

 

 

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