司法試験経験者、法科大学院卒業生(ロースクール卒業生)、司法修習生の就職支援::Legal Map

内定を出した司法試験経験者とは


インタビュー


本日は、面接官を担当したことがある司法試験経験のある社会人にインタビューをさせていただきました。司法試験経験者の方の面談も多く経験されているため、「内定を取りやすい司法試験経験者」などを質問させていただきました。


インタビュアー:吉田昌矢(株式会社More-Selections取締役)




吉田
まず、現在のお仕事の内容と入社の経緯を教えていただけますか。

A様
現在の仕事は、インターネット金融会社の内部監査責任者です。 内部監査とは、簡単に言うと、会社が関係諸法令や社内規程等のルールをしっかり守って仕事をしているか、また社内の各部門が効率的に仕事を行っているかをチェックする仕事です。 次に、入社の経緯ですが、今の会社にはMore-Selections様からご紹介いただきました。社員数が少ないベンチャー企業であり、自分が成長できる環境だと思いましたので、法務・コンプライアンス担当の採用選考に応募し、内定をいただき、入社しました。

吉田
ズバリ、(担当した)仕事の難しさは何でしょうか。

Aさん
内部監査の難しさは、単に形式的に監査するだけでなく、社内各部門にとって有益な監査を行えるかどうかという点にあると思います。 単に法令や社内規程を各部門が守っているかどうかを形式的に監査するだけならば、特に司法試験経験者にとっては大して難しい仕事ではないと思います。このような形式的な監査でも一応社内のルールに従って監査していることにはなるのですが、本当に最低限の仕事をしたにすぎません。このような形式的なレベルの監査では仕事を通じての達成感も得にくいですし、私自身も成長できず、社内各部門からも付加価値を提供できない仕事という評価しか得られないでしょう。 どこまで深く掘り下げて監査をすればよいのかという明確な基準はないのですが、監査を実施する際には、各部門に監査に協力してもらうために、資料を用意してもらったり時間を割いてもらうわけですから、普段各部門では気づきにくい業務の問題点を指摘したり、より効率的に仕事をしてもらうための提案ができるように心掛けていました。 こうすることによって社内で内部監査に一定の価値を認めてもらえば、一層監査に協力してもらえるようになり、私も成果を上げやすくなりますし、監査を通じて成長できるという相乗効果が生まれます。社内から一定程度の信頼を得られるようになれば、各部門から監査に対して期待する声も掛けていただけるようになります。そういう環境を作れることができれば、監査担当者にとっても会社にとっても内部監査業務は意義深いものになると思います。

吉田
次に面接についてお聞かせください。多くのロースクール卒業生、司法試験経験者を面接されてきたとのことですが、必ず質問する項目はありますか。また、その質問から何を把握しようとしているのでしょうか。

Aさん
私の場合には、2つあります。
 1つ目の質問は、「当社のホームページをご覧になったと思いますが、どういう印象を持たれましたか。」というものです。  この質問への回答から、どれだけ当社のことを研究してこられたのかがよく分かります。特に、当社はインターネット専業の会社ですから、ホームページは当社の顔であり、提供しているサービスの詳細もホームページを確認すれば分かるようになっていますので、この質問への回答に内容がなければ、研究不十分と判断されても仕方がないと思います。 入社前からサービスの細かい部分まで暗記している必要は全くありませんし、こちらもそのような期待はしていませんが、最低でもサービスの概要や企業理念等は理解してきてもらいたいと思います。分からない部分があれば面接時に質問してもらえばよいわけです。当社以外の企業の面接でも、「ここまでは分かったけれど、ここから先は分からない」という流れで話を展開してもらえれば、企業側にしっかりアピールできると思いますね。
 2つ目の質問は、「あなたはビジネスパーソンとして3年後にどうなっていたいと思いますか?」というものです。 やや抽象的な質問でありますが、逆に回答の自由度が高い質問でもありますので、司法試験経験者の方が仕事に対してどのような想いを持っているのか、面接に対してどれだけ準備してきているのかが分かると思っています。 もちろん、皆さん後ろ向きなことはおっしゃらないわけですが、ありきたりなことしか言われない方や、自分の言葉で語れない方には高い評価は差し上げられません。 司法試験受験やロースクール在学のために同世代に比べて社会に出るのが遅くなってしまったことは仕方がないのですが、遅れた分を取り戻してビジネスパーソンとしていかに成長したいのかはどの企業を受ける場合でもしっかりと考えて、回答を準備しておくべきことだと思います。面接に向けてしっかりと考えていれば、上記の質問には自分の言葉を用いて答えられると思いますし、むしろアピールしやすい質問ではないでしょうか。私としても、自分を刺激してくれて、共に成長できるような方の入社に期待していますから、この質問への回答は重視したいと思っています。

吉田
司法試験経験者によくあるマイナス評価の例はありますでしょうか。

Aさん
当社の私以外の面接担当者からも聞いたことがあるのですが、司法試験経験者の方はあまり自分の非や欠点を認めたがらない傾向があるように思います。たとえば、面接時に話した内容に論理的矛盾があり、面接官にその点を突っ込まれた場合には、すぐに素直に認めてくれればそれでよいのですが、苦しい言い訳を必死に展開してしまい、かえって評価を落としてしまう方が時々おられます。  司法試験の論文式試験の答案では矛盾は絶対に避けるべきでしょうが、実際に仕事をしていく中では、矛盾などの問題点があればすぐに修正してしまえばよいのです。たとえ面接であっても自分の非を認めないような方は、入社していただいても自分の問題点を修正しないために周囲に迷惑を掛けてしまうような方ではないかと思われる可能性がありますので、注意された方がよいと思います。

吉田
応募書類(履歴書、自己PR書)で重視して見る箇所はどこでしょうか。

Aさん
私の場合は、
①「誤字脱字がないか」
②「明らかな事実関係の誤りがないか」
③「無駄のない応募書類になっているかどうか」
④「応募書類の内容と面接での回答内容が矛盾していないか」
①については、司法試験経験者の方に入社していただいた場合には、法務などの管理系のスタッフとして文書を作成してもらうことが多くなりますので、しっかりと見させていただきます。特に当社はベンチャー企業ですから、管理系に多くのスタッフがいるわけではありませんので、文書を作成してもらう場合にも多くの人数で確認するのは難しいです。ですから、文書を作成する方が作成の段階で誤字脱字等はしっかりと確認していただけると非常に助かります。大切な応募書類に誤字脱字が目立つような方が入社後にミスなく文書を作成できるとは思えませんので、誤字脱字があるような方には厳しい評価をしてしまいます。もちろん、この段階で不採用決定ということはありませんが、応募書類の提出前には誤りがないかどうかをしっかりと確認していただきたいと思います。
②については、他社への応募書類を使いまわしていることが明らかに分かる書類がまれに見受けられます。司法試験経験者の中には、書類選考に通るために、数多くの会社に応募される方もおられるはずです。この場合に、応募書類を使いまわすことを否定するものではありませんが、うまく使いまわすことに失敗し、当社の業務内容に照らして記述内容に不自然な点が見られる書類が時々見られます。人材紹介会社のエージェントも書類を一通り確認すると思いますが、かなりの数を処理しますから、どうしても確認漏れが出てしまう可能性があります。①と同様ですが、自分の応募書類なのですから、形式的な部分は自分でしっかりと確認し、内容面でエージェントにアドバイスをもらえるように心掛けた方がよいと思います。
③については、私の場合、同じようなことが繰り返し書かれているような書類には、高い評価は差し上げられません。一般的にビジネスの文書は簡潔明瞭であることがよしとされますし、私もそのように思います。書類選考の段階で強調したいことがあるために何度も同じことを書いてアピールしたいというお気持ちは分かりますが、入社後も引き続き冗長な文書を作成されるようなことがあれば、社内各部門が迷惑を被ります。 また、実務経験がないから量でアピールしたいという方もおられるかもしれませんが、そのような方には、多数の応募書類を確認する担当者の立場を考えていただきたいと思います。当然ですが、採用の段階では、応募された方の数だけ応募書類を確認することになります。応募書類の中で無駄に長い書類があったら心証が悪くなるだろうということはご想像いただけるのではないでしょうか。厳しい言い方になるかもしれませんが、長いだけの書類でアピールしたいという想いは、書類を確認する方への配慮を欠いた独りよがりに過ぎないと捉えられる可能性があることを念頭に置いていただきたいと思います。  では、長くても内容がある書類ならば問題ないのかという疑問が湧いてくるかもしれません。私としては、内容があれば長くても問題ないと思いますが、経験上そのような優れた書類にはそうそうお目にかかれるものではありません。よほど自信がある場合を除き、書類は簡潔に作成された方がよいと思います。アピールポイントが多い場合でも、そこからさらに絞り込んで簡潔明瞭な書類を作成できることも一つの能力だと私は考えます。
④については、書類選考の段階では判断できず、面接終了時に判断することになります。面接では多くの場合、応募書類の内容に則して応募者の方に質問等を行うのですが、時々回答内容と応募書類の内容が明らかに一致しない方がおられます。準備不足と判断され、評価を下げてしまうことになると思いますので、気をつけていただきたいと思います。 また、こちらとしては、応募書類に書いてあることは、応募者にとってのアピールポイントであり、面接で取り上げれば話が盛り上がると考えるのですが、書類に書いてあることを振ってみても、書類に書いている以上のことを回答してもらえず、話がすぐに終わってしまうこともあります。こういう場合には、どういう意図で応募書類を作成したのかを疑われてしまうと思います。難しいことかもしれませんが、応募書類を作成する際には、面接に向けて「導線を仕込む」ような意識を持っていただけるとよいのではないでしょうか。

吉田
他の就職活動中(転職希望者)と比べて劣っている点、優れている点は何でしょうか。

Aさん
◎優れている点
 ①ビジネスにおいて即戦力となれる文章作成能力を有している
 ②論理的思考力を身につけている
 ③面接試験慣れしていない
 ④仕事に対して意欲的である
◎劣っている点
 ①論理的一貫性を重視し過ぎる
 ②ユーモアに乏しい
優れている点として、①については、多くの司法試験受験生の方の書類は、しっかりと読める文章になっており、採用する側としても非常に安心できます。有名大学を卒業された方でもまともな文章を書けない方が時々見られますので、司法試験経験者の強みと考えていただいてよいと思います。 ②については、私の経験上、論理的に物事を考えられると判断できる方が他の転職希望者よりも多いです。実務経験がある転職希望者の方でも、必ずしもこの能力を持ち合わせているわけではありません。 ③については、司法試験受験生の方は実務経験が乏しいことが多いので、面接慣れしていない方が多く、そのために人間性が表に出るため、かえって好感を持ってもらいやすいと思います。実務経験がある方の場合、自分を巧妙に取り繕おうとする方が少なくないので、何を考えているのかが分かりにくいことがあります。このような方に対しては、採用する側は慎重にならざるを得なくなることもあります。 ④については、他の同世代の方よりも社会に出る時期が遅くなってしまったために、その分を取り返したいという方が多く、頼もしく感じます。 劣っている点として、①については、論理的一貫性を重視し過ぎてかえって墓穴を掘ってしまう方がおられますので、注意しましょう。 ②については、試験勉強をしていたせいか、面接でも真面目な話題が多くなってしまい、他の転職希望者よりもユーモアのセンスが乏しく、人間的な幅が狭いと思われる方が少なくないように感じます。ただし、真面目なことが悪いわけではありませんし、多くの方が真面目なだけではない面白い部分を持っておられると思いますので、その部分を強くアピールされるように強く意識されたらよいでしょう。自分で分からなければ周囲に聞いてみることをお勧めします。 他にも、コミュニケーション能力を疑われても仕方がないような方が時々いらっしゃるとか、組織で仕事をするということに対する理解が浅い方が少なくないとか、改善していただきたいと思うこともありますが、こういったことは私の理解では転職希望者全般に少なからず見られることで、司法試験経験者に特有の劣っている点とは考えていません。 なお、組織で仕事をするということに対する理解を深めたい方には、『入社1年目の教科書』(岩瀬大輔著・ダイヤモンド社)お読みになることをお勧めします。

吉田
最終面接者(社長、役員)は、応募者をどのような観点で採用されていると思いますか。

Aさん
当社の場合、最終面接者は、応募者が当社の社風に合う方かどうかのみを確認します。よほどのことがない限りは、応募者が配属されることになる部門責任者の意見が尊重されます。  当社の社風に合う方かどうかということを具体的に申し上げますと、「明るく元気で、他部門とコミュニケーションをとって組織を底上げしてくれる方かどうか」ということになります。応募者の専門性等は最終面接者の前の面接担当者により判断されます。

吉田
今まで一番、好印象だった司法試験経験者の面接内容(どんな質問にどう答えたか等)を教えていただけますか。

Aさん
私の中で最も印象の良い方の面接では、応募者は特別奇をてらったことはおっしゃいませんでしたが、聞かれたことに対して明るくはきはきとした態度で端的に回答し、また仕事への意欲を強く持っておられました。応募書類も面接時のことをよく考えて作成しておられ、当社のホームページもよく研究されていました。面接官への質問からも当社への関心の高さがうかがえ、一緒に仕事をしたいと強く思わせてくれる方でした。 企業という組織に入って仕事をしていくうえで、当たり前のこと、小さいことを一つ一つしっかりと積み上げていくことは非常に大切です。この方は、一つ一つ重要なポイントを押さえておられましたので、入社後もすぐに実力を発揮し、私も大いに刺激されるのではないかと考え、とてもよい印象を受けました。 これから就職活動をされる方は、一発大きなホームランを狙うよりも、ヒットを多く積み重ねるようなイメージで書類の作成や面接の準備をしていただきたいと思います。

吉田
ズバリ、企業に採用されやすい司法試験経験者の特徴とは何でしょうか。

Aさん
端的に申し上げますと、上記で述べた司法試験経験者の長所を全て持っており、かつ司法試験経験者の劣っている点を持ち合わせていない方ということになります。特に、難しいことを平易に説明できるコミュニケーション能力は重要視されると思います。このような方は、当社に限らず、多くの企業が求める人材なのではないでしょうか。

吉田
面接官を経験して、改めて司法試験経験者に対して企業が抱くイメージは何だと思いますか。

Aさん
良いイメージとしては、司法試験経験者は真面目というイメージが挙げられると思います。真面目に仕事に取り組む方は入社後に非常に信頼されますので、ぜひ自信を持っていただきたいですね。  悪いイメージとしては、やはり司法試験経験者は固く、柔軟性に乏しいと思われる方が多いなと思います。自分にもこのような特徴が思い当たるという方は、普段から一般の方でも分かるような平易な言葉を用いて話をすることを意識されたらよいでしょう。普通にコミュニケーションができるだけで、この悪いイメージはだいぶ払拭できると思います。ただし、特に司法試験経験者が入社されたことのある会社では、このような司法試験経験者の特徴を分かったうえで選考を行っているはずなので、応募の段階で必要以上に意識することはないかもしれません。More-Selections様を通じて応募されるのであれば、応募先に司法試験経験者が入社したことがあるかどうかを確認してもらえると思いますので、エージェントの方にお願いしてみてもよいと思います。

吉田
ありがとうございます。しかし、入社数年で面接官を任されるというのはすごいことだと思いますが、なぜ所属している企業からご自身が面接官を任されたと思いますか。

Aさん
まず、私が入社後半年で内部監査部門の責任者に昇進したことが大きいと思います。部門長は役員に次ぐ地位であり、当然自部門を超えて、会社全体を見て仕事をすることが求められます。採用活動は、人事部門のみならず、会社全体に関わる重要な仕事ですから、私も採用に関わることになったと思います。 また、当社のようなベンチャー企業は大企業のように人事部門に十分な人員を配置していないことが多いと思います。そのため、採用の事務的な作業は人事部門で行いますが、書類の確認や面接の実施は役員や役職保有者が行うことは珍しくないのではないでしょうか。 私も入社前には自分が入社後数年で面接官をすることになるとは思いませんでしたが、実際に面接官を任されるということは会社を代表して応募者の選考の対象になることを意味しますので、気を引き締めて臨みました。言うまでもないことですが、面接では採用する企業が応募者を選考するだけでなく、企業側も応募者に選好されるわけですから、やはり緊張します。それでも、私は面接官を務めることは非常に楽しく、やりがいがある仕事だと考えています。多くの方にお会いすることで自分を省みる機会にもなりますし、普段の内部監査とはまったく異なる視点でものを考える契機になることもあります。ベンチャー企業に入ると、自分の担当職務とは異なる業務を任される機会もあるかもしれませんので、ビジネスパーソンとしての総合力を高めたい方はベンチャー企業に入社されることを真剣に検討されてはいかがでしょうか。

インタビューを終えて

インタビューをさせていただいた方は当社が創業間もない頃に企業に入社され、飛躍的に成長された方です。司法試験経験者は、企業勤務のスタートが遅れているため、他の方より成長するスピードを求められます。 上記のインタビューから「当社でしっかりと成長してもらえるのか」という視点で面談されていることがわかります。上記のインタビューを読んで、決してテクニカルな就職活動に終始するのではなく、自分が企業で成長することで、いいい仕事を経験できるという楽しみを感じながら就職活動を続けていただきたいと思います。。




More-Selectionsでは、多くの受験生に就職情報を伝えるべく、元司法試験受験生で、現在企業にてご活躍されている方にお会いしたいと考えております。
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