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就職ノウハウ

法科大学院修了生の就職支援ブログ(第2回)

Q.【ブログ記事】“法科大学院修了生はプライドが高い”という風評を分析する

A.

企業から法科大学院修了生が持たれがちなイメージの一つとして、“プライドが高そう”というものがあります。全体的な学歴の高さ、学者然とした話し方、奥手な性格などから来るイメージなのかもしれませんが、はたして、本当に法科大学院修了生のプライドは高いのでしょうか。

 

普段、法科大学院修了生の就職進路の相談に乗っていると、法科大学院修了生の進路選択の基準に明確な傾向を見出すことが出来ます。それは、「よりエリートっぽい選択肢を好む」という傾向です。

 

より具体的に言いますと、「周囲から、凄いと言われる有名企業・大企業に行きたい、エリートの香りのする官公庁に行きたい、泥臭くなくスマートに見える職種に就きたい」、こうした価値基準のもとに就職先の進路選択をしようとする方が非常に多い印象です。

もちろん、こうした傾向は、法科大学院修了生に限らず、日本全体としてある程度共通して存在している傾向だと思いますが、私が普段接触する一般の転職者と比較しても、この傾向はより顕著だと感じています。

 

 

ところで、先日、長年、法科大学院修了生を積極採用してくれている、とある企業の採用担当者からお話を伺う機会がありました。その方が言うには、数十人と法科大学院修了生の採用面接を行って来て感じるのは、「法科大学院修了生には承認欲求が強い人が多い」ということだそうです。では、承認欲求とは何でしょうか。

 

 

承認欲求とは、他人から認められたいと願う感情のこと
https://www.motivation-up.com/whats/approval.html
(出典:モチベーションアップの法則)

 

 

諸説ありますが、概ね上記のように定義されることが多いようです。

私が感じている「エリートっぽい選択肢を好む」ということと、法科大学院修了生の承認欲求の強さはリンクしている可能性が高そうです。そして、そうした承認欲求の強さは、プライドの話とも関連している可能性があります。

 

 

プライドにまつわり、先日、下記のような記事を見かけました。

 

プライドがムダに高い「中高年男性」の末路
https://toyokeizai.net/articles/-/254044
(出典:東洋経済オンライン)

 

 

記事によると、プライドには“正真正銘のプライド”と“高慢なプライド”の2種類があり、前者が、他者からの評価とはまったく関係がない「絶対的な自信」であるのに対し、後者は、他者からの承認や評価に依存して得られるものであり、他人と比較したときの優位性に基づく「相対的な自信」だとしています。

 

そして、狭い社会の中で、他者との競争や他者からの承認(誰々よりも上に行った、誰々に褒められた)によって自己の存在意義を確認する生活を続けていると、高慢なプライドを背負いやすくなると言います。

この記事で取り上げられているのは、会社で長年働いて来たおじさんですが、“狭い社会”、“他者との競争”、これらは、いわゆる受験戦争においても共通するキーワードではないでしょうか。

 

すなわち、狭い人間関係の中、上下優劣が物を言う受験戦争を長く戦い過ぎると、自分が価値のある人間であることの確認を「相対的な自信≒高慢なプライド」に依拠するようになり、それが承認欲求の強さ、ひいては、エリートっぽい選択肢を好むという行動原則に繋がっていく可能性があります。

 

仮に、本当に法科大学院修了生がネガティブな意味でプライドが高いのだとしたら、それは、中学受験→高校受験→大学受験→法科大学院受験→司法試験と、受験戦争を長く戦い過ぎたことの弊害であり、その意味で、法科大学院修了生は過酷な競争の被害者だとも言えます。

 

記事の中では、「高慢なプライド」は、自分の有能性を過度に誇示しようとするために、不安と攻撃性を伴いやすいのに対し、「正真正銘のプライド」は、周囲から共感を得やすく、また、自分のノウハウやスキルを共有し、他者をサポートしようとする行動につながりやすいと紹介しています。

そして、「正真正銘のプライド」を育むのは、周囲からの評価をよそに、現状に満足せずに、つねに高みを目指し、より良いものを作り続けようとする職人的姿勢だとしています。

その意味では、「高慢なプライド」が競争の果ての“結果”にフォーカスしたものに対し、「正真正銘のプライド」は、過程・ディテールへのこだわりの結果得た“納得”にフォーカスしたものとも言えそうです。

 

就職活動では、自分自身の中の強みを見出し企業にアピールすることが必要になりますが、そうしたアピールを行うためには、まずは、自分が何に対して自信を持っているかを問いかける必要があります。その時に浮かび上がって来るのが、

 

・~で何位だった

・~先生に褒められた

・~の科目で~な評価だった

・~で~に勝った

・~の資格を取った

 

といった、他者との競争や他者からの承認に基づく自信なのか、はたまた、職人的なこだわりの姿勢に基づいて得た自信なのか。

 

就職活動における自己PRの成否は、こうした点にかかっていると言えそうです。

 

就職活動に臨まれる法科大学院修了生は、ぜひ、司法試験や学内試験の結果・点数・評価ではなく、ご自身が司法試験合格に向けて「何にこだわり、どのように取り組んだか」にフォーカスし、その中から、絶対的な自信の源となる「芽」を見出し、正真正銘のプライドを持って企業の選考に挑んで欲しいと思います。

 

 

 

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